お漏らしパンツ問題

汗ジミが目立つ生地の短パンで汗をかくと、股にお漏らしのようなシミができる。股にシミがあるだけで人はたやすく尊厳を失うもので、短パンの汗ジミってのは男の股間、じゃなくて沽券こけんに関わる問題だ。

新しい短パンを買った。濃いめのブルーで、水を吸わなそうな生地。これなら汗ジミは大丈夫だろう。そう思っていた。

いざ走ってみるとこれが完全なお漏らしパンツ。しかもロング走で履いてしまったものだから、ずっとお漏らしをさらし続ける羽目になった。駅前の人混み。下校中の高校生の列。股にシミを付けて、たくさんの人とすれ違った。

漏らしたわけではない。でも不思議なもので、気分は漏らしているのと変わらない。

薄暗い取調室で刑事が机をバンと叩き、電気スタンドで顔を照らす。「漏らしたんだろ?」。そんな風に凄まれたら、「も、漏らしました」と自供してしまうだろう。

かつてドイツの研究所である心理実験が行われた。人道に反する実験として今では法律で禁じられている。それはお漏らしパンツ実験というものだ。と言われたら信じる。

長くなったけれど要するに短パンは黒がいい。